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(MC原稿公開)エドモン・ドルディーニ作曲「踊る人形(Poupée Valsante)」

  • 金子咲良
  • 3月23日
  • 読了時間: 2分

(このブログでは過去の演奏会でのmc原稿や、動画の原稿を添付いたします。楽曲鑑賞や練習の際にお役に立ちましたら幸いです。)


エドモン・ドルディーニ作曲「踊る人形(Poupée Valsante)」 


次にお聴きいただくのは、エドモン・ドルディーニ作曲「踊る人形(Poupée Valsante)」 です。


ドルディーニは、アメリカ・ニューオーリンズ出身の黒人音楽家で、19世紀後半にフランスへ渡り、主にパリやボルドーで活躍しました。


この曲のタイトル 「Poupée(人形)」 は、単なるおもちゃの人形ではなく、当時のヨーロッパで貴族や上流階級の間で流行したオートマタ(自動人形) を指しています。

オートマタは、ぜんまいや歯車で動く精巧な機械仕掛けの人形で、舞踏会のワルツを踊るように動くものもありました。


曲の冒頭では、オートマタがぜんまいを巻かれ、ゆっくりと動き出す様子が表現され、次第にワルツのリズムに乗って優雅に回転します。

メロディーの高まりとともに、まるで人形が躍動的にステップを踏み、軽やかに踊る姿が目に浮かびます。


この作品は、19世紀のサロン音楽として作曲され、上流階級の集まりや貴族・富裕層の私的な音楽会で演奏されることを想定していました。フルートとピアノが織りなす華やかな旋律で、貴族の優雅なひとときを彩る一曲だったのです。


ぜんまい仕掛けのオートマタが、ワルツの調べに乗せて命を吹き込まれるような音楽世界を、ぜひお楽しみください。

 
 
 

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