(MC原稿公開)セシル・シャミナード作曲「スペインのセレナーデ」
- 金子咲良
- 3月23日
- 読了時間: 2分
(このブログでは過去の演奏会でのmc原稿や、動画の原稿を添付いたします。楽曲鑑賞や練習の際にお役に立ちましたら幸いです。)
♪セシル・シャミナード作曲「スペインのセレナーデ」
続いて演奏するのは、セシル・シャミナード作曲「スペインのセレナーデ」 です。
シャミナードは19世紀末から20世紀初頭に活躍したフランスの女性作曲家で、その優雅な旋律と洗練された作風で知られています。彼女は当時のヨーロッパで高く評価され、アメリカにはなんと100以上のファンクラブが存在するほどの人気を誇っていました。
この曲も、サロン音楽として作曲されたもので、19世紀の社交界では、知識人や芸術家、貴族が集い、音楽を楽しみながら文化的な交流を深める場としてサロンが栄えていました。
豪華なシャンデリアの下、シャンパンやワイン、紅茶とともに、エクレアやマカロン、プチフールといった繊細なフランス菓子、チーズやフルーツの盛り合わせが振る舞われました。時には即興の演奏が始まり、詩人が新作を朗読し、画家がスケッチを披露することもありました。
当時のサロンには、作曲家、詩人、画家、劇作家、政治家など多様な文化人が招かれ、それぞれが自由に芸術を語り合う場でした。
そんな洗練された空間の中で、「スペイン」という国は、異国情緒や情熱的なイメージを象徴する存在でした。フランスの芸術家たちにとってスペインの音楽や舞踊は憧れの対象であり、そのリズムやメロディには、どこか異国のロマンスと活気が感じられます。
この曲でも、スペインのギターを思わせるピアノのリズムに乗せて、フルートが歌うように美しい旋律を奏でます。まるで19世紀のサロンで、華やかな談笑の合間に響く異国のメロディを聴いているような、ロマンティックな世界を感じていただければと思います。
https://youtu.be/QS-EwPH5dew
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